(――どうする。この状況を打破するためには、どうすれば良い) ほぼ音速に匹敵する攻撃を、紙一重に近い動作で切り抜けながら、九峪は目まぐるしく思考を回転させていた。 人と魔人とでは、そもそも持久力からして次元が違う。魔人の力を十とすれば、人の力は一にすら満たない。戦闘の時間が長引けば長引くほどに、状況は魔人に有利に傾いていく。 九峪の限界は、半日、戦い続けることができるかどうか。魔人は、その程度の時間では疲労を覚え始めるかさえも怪しい。 だからこそ、魔人との戦いで求められるのは短期決戦だった。それなのに―― 「――くッ」 轟音と共に大地が盛大に割れる。鉱物のような拳が、造作なく地面を抉る。 九峪は、それをかろうじて後方へと跳躍することで回避した。続けて、壊れろと願いながら方術を放つ。――しかし、それは目くらまし程度の効果しか持たない。 反撃を受けた魔人は意に介した様子もなく、獰猛な歯が並ぶ鮫のような顎を開かせて、九峪を噛み千切らんと襲い掛かってきた。本能が、背筋に冷たい氷のような警報を鳴らす。がむしゃらに、九峪はそれを避けることしかできない。 ――状況は膠着しているどころか、逆に不利になっていくばかりだった。 必殺の手段を、九峪は持ち得ていない。それは“勝てない”ということだった。 「ガハハッ――」 魔人は、嬲るように嘲笑を上げた。自らの優位性を理解しているのか、或いはこれを戦闘だとすら認識していないのか、ぎりぎりで命を繋ぎ続ける九峪を、楽しそうに追い込んでいく。 それは、魔人にとって普段の殺戮と何ら変わりのないものだったのかもしれない。 九峪は、四方八方から迫り来る圧力をかわし続けながら、敵を殺せない苛立ちから血が滲むほどに強く歯を噛んだ。ぎちりっと歯と歯が磨り合わされて、不協和音を生む。 (賭けに、出るべきか) 九峪は、追撃を受ける中で自らの体力と精神が徐々に削られていくことを自覚しながら、不意に迷った。このままの状態では決して未来などない。だが同時に、逃げを選ぶことなどできない。 そして、この状況から反撃に移れるだけの能力があるかどうかは怪しい。 現状を維持することすら疲弊する今の段階から、更に攻めに出るとなればどれほどの重圧が必要であるかなど、考える必要さえもない。それは確実に残存した体力全てを消費することになる。 相手がただの敵ならば、それは決して取ってはならない選択肢に違いない。そう理性は判断している。――だが。感情は、その答えを決して許さないと否定する。 (何をっ、迷っているんだ、俺は――ッ!) 恐怖を感じていないといえば嘘になる。逃げ出したいと微塵も思っていないといえば嘘になる。しかし、それらの感情を退けるだけ目の前の相手を憎悪していることは確実な真実だった。九峪はもう一度、不甲斐ない自身を奮い起こすために、倒れてしまった赤黒色に染め上げられた仲間達を思い出す。恐怖に凍てつかされかけていた、血が、再び燃えた。肉体が、溶解してしまうほどの熱を帯び始める。 九峪は、少しばかりの逡巡の後に、――覚悟を決めた。 生物の急所の多くは正中線と呼ばれる、体の中心のラインに多く存在している。しかし、それらの場所は急所が集中して存在しているがゆえに、相手の守りも厚い。だから、そこへの攻撃で勝てる見込みは薄い。 ならば、狙うのは別の場所。少ないながらも、生体には正中線以外の急所がないわけではない。 その一つが耳であり、その一つが脇下であり、その一つが目だった。 九峪は観察した。躊躇すれば繋がるのは死であることを理解して、強く片方しかない拳を握る。途端、頬の近くを鎌鼬のような暴風が通過していく。振るわれるたびに、心臓の体温が一度ずつ強制的に下げられてしまうような魔人の腕を避けながら、最も効果的にダメージを与えられる箇所がどこにあるのかを探した。 まずは脇下。 魔人の腕は間髪入れずに振り上げられ、そして振り下ろされている。途端、大地がガラスでできているかのように盛大に割れた。それはまるで圧搾機だった。どれだけ相手の動作を先読みすることで時間を稼いだとしても、魔人の腕に攻撃を加えることは不可能。地面を抉るように振り回された、黒色の岩石のような足を回避しながら判断する。 続いて耳。 追撃を避けるために、後方へと軽く跳躍しながら九峪は食い入るようにその場所を注視した。最も脳へと近い急所は、その特性のためかひどく的が小さい。超高速で移動する魔人からの、触られるだけで殺される攻撃を避けながら、ただその一点に牙を突き立てることは、歯痒いことに九峪の能力では不可能に近かった。暗い自己への憤怒の感情と共に事実を認める。 そして目。 人とは異なり、九峪の前に立ち塞がる魔人は三眼を持っていた。そして、その目のどれもが人のものよりも歪に大きい。的としては充分だった。数も三つと、他の急所よりは多い。憎しみゆえに拒否できない三択の選択肢から、九峪が選ぶことができるものはそれだけだった。――いや、それだけしか、未来は見えなかった。 移動する魔人に肉迫し、その目を攻撃することは九峪の技術を総合しても届くラインであるかは怪しい。むしろ、それは困難を極める。足の踏み場も無く、一歩踏み外しただけで命が潰え、それでいて乗り切れば勝利が約束されているというわけでもない細道。九峪が選んだものは、そんな希望だった。砂漠に落ちた米粒を探し出すほうが、よほど簡単だと思えるほどの、絶望に酷似した選択。 (――やってやろうじゃないかッ!) 九峪はそこで、限界を超えるために猛々しく吼えた。 喉が潰れても構わないと、正面に距離を取って立つ魔人を睨みつけながら、限界まで腹から出した声を震わせる。叫べば叫ぶほど、人体にかかっている負荷抑制のリミッターが外れていくイメージを浮かべる。限界に到達した血圧が、脈拍が、その咆哮だけで更に上昇し、同時に世界から音が消えていく。脳の情報処理能力が、ただ視覚だけに集中していく。――五感で必要なのは視力のみ。そして、色すらも要らない。ただ、相手が死ぬ瞬間だけが見えれば、それでいい。 ぎちぎちと九峪の血管が、今すぐにでも破裂してしまいそうなほどに皮膚の下で蠢いた。だが、九峪はそれらを気に留めずに敵だけを見る。 (良く見ろ。狙え。そして、――確実に殺せ) ただ一つだけに意識を集中させて、九峪は駆けた。世界が、通常よりもゆっくりと流れ始める。最後に九峪はもう一度、己の限界を具現するために叫んだ。 「――ぉおおッ!」 迎え撃つ魔人は、嘲笑の表情を変えることなく、ただ腕を振り上げた。迫り来る九峪の、変化には気づいていない。或いは気づいていて、歯牙にもかけていないだけという可能性もある。 ただ解っていることは、魔人は九峪を見下しているということだけだった。いつものように拳を力任せに振り回すだけ。 力の圧倒的に少ない九峪が、魔人を相手に立ち回れる理由は、そこにあった。 魔人は世に生を受けた時より最強である。人よりも、何よりも強い。己の力のみで、他者を捻じ伏せることができる。――ゆえに技を知らない。 隆起する敵の筋肉の動きを見て、次の手を読むことができない。敵の眼球の動きを見て、相手の狙いを推測することが出来ない。その攻撃の全てが必殺であるために、最短の軌道で最大の効果を発揮するための努力を行わない。その全てが不必要であったからだ。 だが、それが九峪にとっては優位に働く。 虚をつかれることのない直線的な動きならば、どれだけ速くても避けることはできる。凄まじい威力があろうとも、狙う場所さえ解っていれば当たらない。どれだけ必殺の一撃であろうとも、大振りならば余地はある。回避できる。 それが、九峪の唯一の強み。 (初撃。それで決まる。――初撃さえ避ければ、勝機はある) 九峪は爆発的な速度で走りながら、魔人の振り上げられた二本の腕を見た。その長さ、筋肉の動きを読むことで、どこまで近づけば危険であるのか、どこからは安全であるのかを自らの血の滲むような経験に基づいて判断する。 そして、短く叫ぶ。――風牙迅雷。 生まれた攻撃を消し飛ばすために、魔人は腕を一気に振り下ろした。そしてついでとばかりに九峪を叩き潰そうと、その腕の軌道を変えて九峪へと向けた。凶悪な鉄槌が、九峪を殺そうと迫る。 鉄よりも堅く、剣よりも鋭利な魔人の腕が這い寄る恐怖。直ぐにでも背を向けて逃げ出したいと衝動的に思ってしまう重圧。それらを精神力のみで捻じ伏せながら、九峪を背をほんの少しだけ後ろに逸らした。生物としての本能よりも、自らの判断を信じて、その場所から一歩も足は退かない。 直後、九峪の鼻筋の上、皮一枚ほどの距離が離れた場所を唸りを上げながら魔人の腕が通過した。風圧だけで九峪の頬はざっくりと裂け、血飛沫が上がって、九峪の目へと入った。世界が赤色へと変わる。 反射的に目を擦りたくなる衝動が九峪の中に浮かび上がってくるが、抑える。九峪は赤く血の色に染まった両目を見開かせたまま、時間が惜しいとばかりに跳躍した。――この瞬間、魔人の振るった腕が伸びきった。 (これなら、……いけるッ) 九峪は後方から引き戻されようとしている、魔人の腕の存在を感じ取っていた。だが、それよりも早く自らが行動を終えられる確信を瞬間的に抱いた。 服の裏側に縫い付けていた小刀を取り出して、魔人のように振りかぶるような大げさな動作などはとらずに、一直線に突き出す。九峪の手元から最短の距離で突き出された小刀は、同時に九峪の全体重を乗せられているために最大の効果を発揮した。生まれた軌道が、九峪の懐から、魔人の眼まで直線を描く。――そして、吸い込まれるように小刀は魔人の眼へと刺さった。 「グガアアァッ――!」 血飛沫があがった。 魔人の眼から、惜しみなく血が流れた。いかに鋼鉄の肉体を誇る魔人であっても、瞳は鋼に抗うことはできなかった。九峪の小刀は半分ほど、その刀身を魔人の顔に埋めていた。魔人の表情が苦痛に染まっていく。 己の敵に刃を突き立てる感触に、九峪は激しい高揚を覚えた。それは絶頂感にも似ていた。 そして、そのまま勝負をつけようと、さらに九峪は小刀に力を込める。魔人の脳にまで刃を到達させるために、柄を全力で握った。ぞぷりっという肉を引き裂く感触が腕に返ってくる。――更に勢いを増して魔人の血が噴きあがり始める。 九峪は、歓喜した。まるで何かに取り付かれたかのように、冷たい刃を魔人の眼窩に埋め込むことに熱中する。その様はまるで狂信者のようでもあった。そして、この瞬間に初めて九峪は甘美な勝利を意識していた。 だが。 ――恐らくは、それは九峪が初めて油断した瞬間でもあった。 「ァアアアアアッ!」 魔人が、易々と息絶えるはずなどはなかったのだ。 己の体に刃を突き立てさせるなどという愚考を、簡単に許すはずなどがない。そんなこと、誰よりも九峪が身にしみて知っているはずだった。だが、それを一瞬の暗い喜びに支配された九峪は忘れてしまった。 規格外の体力を用いて魔人は“刃を突き立てられている顔面を”上下に激しく振った。人がそのような行動に出れば、それは自殺行為と変わらない。だが、魔人に関しては違った。 「――なっ!?」 魔人が顔を上下に振るだけで、柄を持った九峪の体もまた激しく揺れた。強靭な肉体が、埋め込まれた刃を挟み込んでいた。そして、その刃を握る九峪もまた逆に捕らえられていた。人としては軽くない九峪の体が、魔人の首の力だけで宙に揺らされる。魔人は、自らの体に刺された刃を用いて、逆に九峪の体を揺さぶった。 (――手を離さないと、死ぬッ) 衝動的に危険を察知した九峪は、強く握った柄を手放そうと動いた。だが、それよりも魔人のほうが圧倒的に早かった。 魔人は、ぐうんっと勢いをつけてもう一度大きく首を振った。――それだけで、九峪の体は小石のように空へと投げ出された。 最悪の結果が、生まれた。 どれほど敵の行動を読むことができたとしても、空中では対処の方法がない。敵が攻撃してくると解っていたとしても、羽のない人間は逃げることも迎え撃つこともできない。人が培った技術の全ては、大地に根付いているのだから。 空にあっては、純粋な力の大小のみが勝負を決める。そこに技術の入り込む隙などはない。 「……ヤッテ、クレタナァァッ!」 魔人が、未だ地面へと降りられない九峪を見て吼えた。その顔は怒りに歪んでいる。そして、跳躍するためか膝を大きく曲げた。 九峪は、思考が真っ白になっていく事を感じながら、その様子を眺めた。魔人の口が開かれる。 (……俺は、――ここで死ぬ、のか?) どう楽観的に考えようとしても、九峪が地面に落ちるよりも、魔人が九峪の体を粉微塵にするほうが早い。そこからたどり着ける答えは一つしかなかった。――避けようのない死。逃げられない死。 最早打つ手はない。 九峪は、また誰も救えなかった結末を迎えたのだと気が付き、血に濡れた瞳から涙を流した。 そして直後。 黒い魔人の体が弾丸のように跳ねて、空中で鈍い音がした。 / 「――いやああァァッ!」 目の前に立つ敵。魔人。初めて目にした存在に向かって、衣緒は今まで自らが積み上げてきた技術全てを用いて応戦していた。手の平の皮がめくれるほどに強く槌を握り締め、打ち下ろす。 だが、その攻撃は当たらない。 純粋に、残酷なまでに、人である衣緒と魔人とでは基本的な速度からして違っていた。必死になって衣緒は魔人の姿を追うが、どうしても届かない。触れることさえできない。 未だ衣緒の攻撃はかすってさえもいなかった。 「衣緒、右だ――ッ!」 後方から叱咤する声。姉である亜衣が、横から回り込んで衣緒の胴体を刎ねようとしていた魔人に向かって方術を放ちながら、援護のために指示を出した。その声に従って、衣緒は視認することさえ難しい敵の姿を求めて、体を右側に向ける。そこには、方術の衝撃を喰らってたたらを踏んでいる魔人がいた。 魔人と衣緒は瞬間的に目が合う。この時には既に、大の大人でも失神は免れない術のダメージを魔人は回復させていた。そして、鋭い爪の生えた右手を振り上げた。 瞬間、首筋に刃物を押し当てられているような恐怖感が、衣緒の心臓を凍らせながら湧き出てくる。 「くっ……!」 痺れるような衝撃が、握り締めた槌から響いた。気が付けば衣緒の体は、巨大な槌ごと後方へと吹き飛ばされていた。特注の衣緒の槌はかろうじて魔人の攻撃にも耐えていたが、あと何撃まで形を維持していられるかは怪しい。 恐らくはもって十に満たないだろう。 体勢を崩さないようにどうにか着地した衣緒の胸の中に、絶望的な感情が溢れてくる。だが。 「衣緒ッ、後ろに跳びなさい!」 後ろから聞こえてきた声が、その感情を捻じ伏せる。衣緒は自らの主君の声に従って、後方へと跳躍した。 直後、雷光のような速さで魔人が、先ほどまで衣緒が立っていた場所に腕を突き刺すような形で立っていた。距離が離れていれば少しは見えるのだろうが、接近している衣緒にはまるで魔人の攻撃は見えていなかった。おおよその勘に従って、どうにか守っているだけというのが現状にすぎない。 数秒後には、魔人の爪に倒れている可能性すら充分に考えられた。 (だけど、そうなったら二人は……ッ!) 星華と亜衣。この二人が後ろから方術で援護を続けてくれているからこそ、まだ衣緒は生きていられる。恐らく二人の助力が無かったなら、今ごろは他の兵士と同様に衣緒の五体はばらばらに千切れ飛んでいることだろう。それに関して衣緒は、二人に感謝の念を抱いてはいた。 だが、それ以上に恨むような感情を覚えてもいた。主君には何故逃げてくれなかったのかという思い。姉には何故主君を説得できなかったのかという思い。それらの感情が、目の前の魔人に恐怖するたびに沸きあがってくる。 (無理なのに。もうこれ以上この敵を相手に、時間を稼ぐなんて――) 最も近くにいるために、最も魔人の重圧を受ける衣緒は徐々に戦意を消耗させていった。もちろん、常人ならば目にするだけで腰を抜かす魔人を相手にして、未だ真に絶望せずに抗戦を続けているのだから衣緒の胆力は褒められこそすれ、劣っているわけなどはない。 ただ、魔人という種があらゆる意味で絶望的であるだけなのだ。 「――天の火矛!」 星華の声がした瞬間に、衣緒の斜め後ろから炎が跳んできた。その炎は魔人に直撃し、その肌を焼こうと爆ぜたが、魔人が無造作に腕を横に振ると、まるでシャボン玉のように掻き消えた。 星華の術は決して弱くない。むしろ復興軍の中では強者の部類に入る。その術を片手だけで弾く魔人という存在に、改めて衣緒は底知れない恐ろしさを感じた。 だが、衣緒は逃げるわけにはいかなかった。少なくとも、彼女の背に星華がいる限りは、その選択肢を選ぶことはできない。戦うことしか、彼女の心が許さない。 「――ああああッ!」 胸の中に渦巻いた恐怖をかき消すために叫びながら、衣緒は大槌を上段に構えながら駆け出した。――狙いは魔人の腹。最も大きい的である腹ならば、圧倒的に速度で勝っている魔人であっても完全にかわせるわけがない。 衣緒は、そう考えて、槌を振り下ろした。 しかし、その考えは間違いだった。 「……えっ」 槌を振り下ろした瞬間に、魔人の体が掻き消えた。いや、掻き消えたように衣緒は見えた。 だが、同時に背中から泣き出したくなるような冷たい恐怖感も感じた。咄嗟に衣緒は握った槌を放り捨てて、己の直感に従い前へと転がり込んだ。 直後、めきぃッという音が後ろから聞こえてくる。衣緒がその場所を見ると、にやにやと笑いながら立つ魔人が、衣緒の大槌を大して力を入れた様子も無く踏み潰していた。 (……死ぬ、ことになるんでしょうね) 衣緒は魔人を前にして無手であるという状況を理解した瞬間に、自らの運命の終わりを悟った。 だから、せめて貴方だけでも逃げ延びてという意思を視線にたたえて、星華を見た。 星華は己の体が今にも引き裂かれようとしているような表情で衣緒を見ていた。視線がかち合う。だが、それで終わり。 直後、魔人は鋭利な腕を掲げて、笑いながら衣緒に向かって跳んだ。 次へ |