「と、言うわけで責任は取ってもらいますからね?」
にこやかに――――と言うよりあれだと思う。笑顔の裏に鬼が居るなぁ、と幻視してしまう祐一
ちなみに今の彼に拒否権などという崇高なモノは無い。つーか存在すらしていない。
あるのは、そう――――――――『絶対服従』の四文字のみ。
無論、抵抗しても構わないのだが彼女――――栞の
『拒否したらお姉ちゃんにあること無いこと捏造して言いますからね?当社比200%ぐらいで』
と、爽やかに宣告されてしまっては手も足も出ない。
――――まぁ。これも若さ故の過ちと言うモノか・・・
どこぞの赤いノースリーブの軍服を着た男の如く、背中に哀愁を漂わせる祐一くんであった。
続・バニラ味
「お待たせいたしました。バニラアイスでございます」
栞の目の前に4杯目の好物が置かれた。
現在、わんこそばの如く栞が食べ終わるのを見計らってバニラアイスが置かれていくのだ。
もし、ここのマスターに「君も大変だね」と言われバニラアイス本日限り一杯100円にしてもらわなかったら
今、この場で引きずってでもあいつを外に連れ出すだろう。いや、そうに違いない。
そんなことを徒然と考えながらちらり、と栞を窺うと既に7杯目に突入した模様。
『ええい!!。美坂さんちの妹は化け物か!?』とか思っても、きっと多分神様は許してくれる。
「・・・祐一さん」
「なんだ?」
「さっきからこっちを見ていますが――――――――欲しいんですか?」
これ、とスプーンの先のバニラアイスを指す。
ああ、なんてすてきな勘違いデショウカ
「いや、別「まぁ、どちらにせよ上げる気なんてまったく、これっぽっちもありませんけどね〜」
パクパクとアイスを頬張る栞に対し――――――――
殺意が芽生えたですよ?
「お待たせいたしました。コーヒーでございます」
今まさに、俺が持ちし48の必殺技を我が(財布の)怨敵・美坂栞にぶちかまそうとした時
トン、と軽やかに音を響かせて俺の前に頼んでもいないコーヒーが置かれた。
どういうことだ?、と思いながらカウンターを見ると、親指を立てながら「がんばれよ」と心に語りかけてくる彼の姿が
――――マスター・・・あんたってヤツは・・・おもわず、ホロリと涙が出てくるよ
「そういえば祐一さんっていつもコーヒーを飲んでますよね?」
折角、男同士の友情を噛みしめていると言うのに我が親愛なるバニラ魔人が要らぬ横やりをいれる
まぁ、ふて腐れるのもあれなので「そうだな」、と適当に相づちを打った。
「じゃあ、少しいただいても良いですか?代わりにアイス上げますので」
「別にアイスはいらんが・・・まぁ、飲みたきゃ飲めばいいさ」
俺が適当に流すと栞は満面の笑みを浮かべて
「そうですか。では、失礼して――――――――」
瞬間
俺の■に何か柔らかいモノが
触れた。入った。縦横無尽した。(そこの人、「何処を縦横無尽したんだ?」とか突っ込み入れないように)
「なななななななななななっ!!!???」
「この間のお返しですよ〜」ふふっ、と小悪魔的に笑う栞
何も考えられない俺に対し、栞は更に追撃と言うかとどめを刺した。
「祐一さん」
「コーヒーって、大人の味なんですね♪」
続・バニラ味
でも、ホントはコーヒー味 終
2004/07/23 アーティ
後書き
何故か、友人連中にウケたバニラ味の続編でした。反転するといいかも