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「どういうことだ!?」


聖王国の騎士団本部に隣接するように建つ喫茶店「百花屋」


そこの一角に二人の男性が向かい合うように座っていた。


一人は帽子を目深にかぶった男


もう一人は確かあゆに『銀』と呼ばれた男


見間違いでなければこの二人は先日もここに居たような気がする


「おい!何とか言ったらどうなんだ!」


帽子の男の物言いに『銀』はやれやれ、と言った風に肩をすくめた


「君はそんな年齢で惚けているのか?」


優雅に紅茶を口づけながら


挑発めいた言葉を投げかける


まぁ・・・実際、挑発しているようなモノなのだが


「仕方がないもう一度だけ言おう・・・失敗したよ」

「お前は言ったはずだ。あの聖騎士団でさえ魔族には勝てないと!」

「その通り。聖騎士団程度では魔族には勝てない」

「だが現に魔族は消滅し、作戦は失敗した」

「ちょっとしたアクシデントに見舞われてね」

「アクシデントだと?」

「そう・・・アクシデントだよ」

「ふん!・・・大層な言い訳だな」


帽子の男は嫌みたっぷりに言い放つ


「・・・・・」

「・・・とりあえず次の魔族を呼び出してもらおうか」

「すぐには無理だね。そもそも彼らはこちら側の住人では無いのだから」


帽子の男は怪訝そうな顔をするが


すぐさま元の強気な顔に戻る


「・・・どちらにせよ貴様は我々の言われたとおりに動けばいいのだ解っ――」


帽子の男の言葉は最後まで続かなかった


何故なら


先ほどまでイスに座っていた『銀』がいつの間にか


自分の額に人差し指を突き刺していたのだから


「・・・・少しうるさいね君は。いちいち言われなくても解るよ」


帽子の男は動かない


いや、動けないと言った方が正しい


先ほどまでと変わらない笑みを浮かべている『銀』の身体からは


途方もない程の殺気が噴き出しているのだから


動いたら殺られる


動かなくても殺られる


「そんなに混沌を望むなら貴方自身がやりなさい」


『銀』の指が更にめり込む


「あぁあああぁあああああぁああああああ――!!!!」


悲鳴とも嬌声とも解らない叫び


帽子の男は只ひたすら声を上げるだけ


「さぁ・・・・行きなさい」


『銀』がそう呟き、指を鳴らす


すると帽子の男は急に糸の切れた操り人形の様になり


のろのろとした動作で店から出ていく


『銀』も店員の前に少し多めの金を払うと店を出る


店員は何も言わない


言えない


何故なら


この店に居た全ての人間が時が止まったかのようにその動きを止めていたのだから


そして『銀』は店から出ると


空を振り仰ぎ呟く


「・・・これからどう出る?黒狼」


ニィ・・・


そう冷たい笑みを浮かべると『銀』は雑踏の中に消えていった・・・・・・・。











再び


舞台の幕が上がる











『大戦』という名の舞台が――――――




















後書き


第五幕幕問

つまり5.5話

五幕の数時間後の聖王国のお話

とりあえずここで黒狼は第一章とも言える導入編が終わりました

次回からの(いつになるのか解らない)聖王国編をお楽しみに〜





2004/02/11 アーティ