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「・・・・・おいおい。ちょっとやばいんじゃないの?」


街から少し離れた丘の上


そこに双眼鏡を構えた男


確か旅人で名前は祐一とか言った男がそこに居た。


「大丈夫だよ。だってあの人達聖騎士でしょ?」


 少女――――あゆが言った


「聖騎士と言っても今のメンバーのほとんどが対魔族戦闘を経験していないとおもうんだが・・・・」


頬を掻きながら


双眼鏡をポケットに仕う


「それに魔族が居るなんて聖騎士団のお偉いさん方も思わないだろ」


「んー・・・・。まぁだからボク達が頑張るんでしょ?」


あゆが祐一に微笑みながら答える


「そりゃそうだ」


祐一は再び


黒煙が立ちこめる街を


眼を細め見る


「・・・・・んじゃ。改めて・・・・殺るか」

「・・・・・」





二人は車に乗り込み





アクセルを踏んだ











〜黒狼〜








第三幕











火球が爆ぜると同時に大きく後方へ吹き飛ぶ真宵


そしてそのまま壁に背中を強く叩きつけ地面に倒れ伏した。


気絶したのか死んだのかは良くは解らないが


今、この瞬間


真宵は戦力から外れた事になる


舞は真宵を少し一瞥した後


機剣のカートリッジを入れ替える


がちゃ


軽い金属音と共に


弱まっていた光の刃が消える


(・・・・カートリッジはこれで最後。これでこいつを倒して真宵を助ける!)


舞の頭の中に


真宵を連れて撤退と言う文字は無かった


あの巨人は逃げるそぶりを見せたら最後


問答無用でこちらを殺しに来るということが解っていたから


「<セレブレイド>」


異音と同時に光り輝く白刃が機剣より生じた


「・・・・・勝負!」


機剣を強く握りしめ


口頭詠唱


「・・・・我に聖刃を超える更なる力を!!」


機剣に組み込まれた


呪式構築機関がかん高い悲鳴をあげた


「<セレブレイド・バースト>!!!」


ぎゅおっ!!!


機剣の柄から生じていた輝く刃は大剣以上までその大きさを膨れあがらせる


バチバチと機剣自体も放電している


おそらくこの術の威力に機剣も耐えられないのだろう


「――――っ!!!」


機剣を下段に構え


跳躍


短いステップを交えながら巨人に迫る!


巨人の背中から触手が伸び舞を貫かんとするが


舞は流れゆく水の様に


それを避け


時には機剣を操り触手を灼き斬る


舞が機剣を振るう度に


辺りの建築物は最初から無かったかの様に消滅し


地面は底が見えない程に抉れた


巨人の体躯にその刃が当たるとその部位は炎に舐められたように炭化し


地面に落ちる





がぁぁぁぁぁッ!!





巨人が吼える





見えない衝撃波が舞を襲うが


機剣の光の刃はそれをものともせずに切り裂いた。


そのまま加速


巨人が何かしようとしているが問題ない


真宵の時のよりは遙かに時間が余っている


舞は機剣を振るい


邪魔な両腕を斬り飛ばし


ついにはその体躯――――身体の人間であれば心臓部分――――に光刃が突き刺さった。


そして


「はっ!!」


舞は機剣から光刃を切り離すと大きく後ろに飛び


呟く


「<ブレイク>!」


刹那


巨人に突き刺さったままの光刃が一瞬膨れあがったかのように見えた後


光刃はその中の全エネルギーを一瞬に解放


すなわち


爆発


巨人は爆発の閃光に包まれながらその姿を消していった。











   *   *   *











何処か遠くで大きな音が聞こえたような感じ





彼女はゆっくりと瞼を開けた





痛む身体を無理矢理起こす


壁に背中を擦りつけながら立つと


少し離れた所に舞が肩で大きく息を吐きながら立っていた


彼女の持つ機剣はそこら中からスパークが出ていた


真宵は脚を引きずりながら


舞の方へ近づく


「・・・・真宵!?」

「やっほ。それより舞・・・あいつは?」

「解らない。今使える最高の呪式を叩き込んでみたけど・・・・」


そう言って半壊している機剣を真宵に見せる


「・・・・うわぁ。ここまで壊すってことは<バースト>を使ったの?」


真宵の言葉に頷く舞


「・・・確かにあれを使わなきゃここまで酷くはならないか」

「・・・・・ところで真宵。身体の方は?」

「・・・・身体?・・・ちょっと拙いかな?普通に動く分なら問題は無いと思うけど・・・」


つまり戦闘はできない


「・・・・念のため真宵の機剣を私に貸して」

「別にいいけど、もうあれは倒したんでしょ?」

「楽観はできない、一応念のためだから」


真宵の機剣を受け取るとちゃんと動くかどうか確認する舞


そしてカートリッジを取り出し装填する


がちゃ


「全く心配性なんだか――――」

「!?」


舞の表情がこわばる


理由は真宵の言葉が途中で止まったからではない


彼女の腹から生えた


えらく生々しく醜い何かがあったから


それは真宵の腹を貫いた時同様


音もなく消える


同時に真宵の身体からはおびただしい量の鮮血があふれ 服を朱色に染めていった。


「真宵!!!」


舞は声も無く崩れ落ちた真宵を抱きかかえる


「しっかり!!ねぇ返事して!!」


舞が真宵の身体を強く揺さぶるが反応が無い


その間にも彼女の身体からは血がとめどなく流れ続ける


舞は触手が消えていった方角を見て愕然とする


そこには


全くの無傷で立っている巨人の姿があった





舞の身体が震える


それが夜の冷たい空気に撫でられたモノなのか


巨人に対する恐怖なのかは解らない


ただ一つ言えることは





――――――――勝てない





巨人がゆっくりとした足取りで此方に向かってきている


それは動かない獲物を前にしての余裕の現れなのかもしれない


舞は瞼を閉じた


そして考えるのもやめた。


つまり





死を迎え入れた





足音が更に近づいてくる


口が開かれたようだ


人間の血の臭いが嗅覚を刺激する


そして








それは突然訪れた。

















爆発








爆発








爆発








爆発








爆発――――数え切れない爆発音が舞の鼓膜を叩いたと同時に彼女は地面に強くたたきつけられた





何が起こった!?


瞼を開けるとそこには――――











     *   *   *











「よし!!あゆ撃って撃って撃ちまくれ!!」

「言われなくても撃ってるよ!!」


四輪駆動車の後部座席


そこには仁王立ちしながら右手に大型のガトリング砲


もう左手には携行型のグレネードランチャーをぶっ放している


あゆの姿


轟音を上げながら


幾つもの薬莢がガトリング砲に吸い込まれていく


彼女も


ガトリング砲が焼き付くのを恐れているのか連続して撃たず


時折左手のグレネードランチャーを撃つ





轟音





幾千もの弾丸が巨人の体躯に降り注ぐ


巨人は防御に徹しているのかその場から動かない


ときおり飛来するグレネードランチャーの弾が巨人の足下を穿ち巨人は一歩、また一歩後退し始めていく


キィィィィッ


車が舞達の眼前に停まった


「舞さん達大丈夫!?」


車から降りたあゆが心配そうに舞に聞いた


「あゆ!それに確か・・・・祐一?・・・どうしてここに!?」

「その話は後で!今はここから逃げることだけを考えて」


あゆは持っていたガトリング砲を祐一に手渡し、残弾が尽きたグレネードを捨てると


高速連射型のライフルとその他諸々を取り出す


「早く乗って!!」


あゆは未だ困惑する舞と血だらけの真宵を片手で車上に引き上げた


「運転の仕方は解るよね?」


無言で頷く舞


「じゃあ逃げて・・・早くしないと真宵さんが死んじゃうよ?」

「・・・・あゆ達は?どうするの?」


あゆは困った様な顔をするがそれも一瞬の間ですぐ元の顔に戻る


「ボク達はあいつを倒すよ・・・・確実にね」


あゆは巨人を睨む


「・・・・すまない」


舞はそう呟くと車のアクセルを踏んだ・・・・・











続く











後書き











前回の予告通り祐一君大活躍〜

ってしてないですね(笑)

次回こそは祐一君大活躍の巻


2004/01/24